太宰治、富嶽百景ゆかりの地、天下茶屋に行ってきました。
「走れメロス」を読みました。にわか太宰ファンです。そして、河口湖近くにある御坂峠の‘‘天下茶屋’’に太宰治文学記念室がある事を知り、去年、ついに行ってきました。そこは「富嶽百景」の舞台となった場所でもあります。太宰治ファンならだれもが一度は足を運びたい場所です。
天下茶屋に着くと、そこの目の前には、雄大な富士山がたたずんでいます。それはまるで絵に描いたようであり、少し気恥ずかしくもなります。
注文は‘‘ほうとう鍋’’です。かぼちゃと味噌が絶妙に混ざり合った絶品の汁です。平らだが厚ぼったい麺に、その汁が絡みあい、最高の触感と味を作り上げていました。
そして目の前に広がる富士山。この風景、この味を感じながら太宰は筆を走らせていたと思うと、なんとも言えない気持ちになります。
‘‘ほうとう鍋’’を完食しお勘定を払いました。おもむろに店の人に、「2階の太宰治文学記念室に入ってもいいですか?」と尋ね、いよいよ入室です。2階に上がると、富士山が見える、2つの畳敷きの部屋があります。その部屋には、1メートル四方のちゃぶ台と、その横に丸い火鉢が置いてあります。このちゃぶ台で執筆し、この火鉢で暖をとっていた、と想像すると感動します。たーぼーは、ちゃぶ台の前に座り執筆するポーズをとったり、富士山を眺め「富士には 月見草が 良く似合ふ」なんて心の中でつぶやいたりして太宰を堪能したのでした。